ハワイにも一時、スピリッツが製造されていた。タロイモ(現地でいうティ:Ti)を原料にした特産の蒸留酒である。
 オコレハオという蒸留酒である。ポリネシア語で「鉄の尻」という意味だそうだ。
 1970年ごろ、ウイリアム・スチーブンソンというイギリスの蒸留業者が旅行でハワイを訪れたとき、タロイモが豊富なことに目をつけ、これを原料に蒸留酒づくりを試みたそうだ。
 その際に、捕鯨船の鉄の釜で即席の蒸留釜をつくったのだが、その形態が豊満な肉体の尻の形を連想させたので、こうした名がついたという。
 残念なことだが、現在はオコレハオの製造は途絶えているとのことだ。