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[ コラム ] 3月-6-2009

 ウォッカは、主に穀物を原料として、糖化、発酵、蒸留という過程を経て、白樺の炭でろ過し、クセのない味わいに仕上げた酒である。トウモロコシやじゃがいもを原料にしたものが多いが、どうやら誕生した当時の原料は違っていたようだ。

 12世紀前後の誕生とされるウォッカだが、東欧の地に新大陸原産のトウモロコシやじゃがいもは、当時なかったようだ。ライ麦のビールか、蜂蜜を水で溶かして酵母で発酵させた醸造酒であるハチミツの「ミード(Mead)」を蒸留したと推測されている。

 17〜18世紀ごろのウォッカは主にライ麦でつくられ、18世紀後半あたりからトウモロコシやじゃがいもも使われるようになったようだ。

 ウォッカは他の蒸留酒に比べるとニュートラルなクセのない味とされているが、その当時はそうでもなかった。現在のようなウォッカになったのは、1810年にセントペテルスブルグの薬剤師アンドレイ・アルバーノフが炭の吸着などの活性作用を発見し、ピョートル・スミルノフがウォッカの製造にこの炭を利用してからのことである。これ以来、ウォッカは活性炭ろ過による「クセの少ない酒」という個性を確立した。

 そして19世紀後半には連続式蒸留機が導入されて、今日のようなよりニュートラルですっきりした酒質となった。ウォッカはけっして無味無臭というスピリッツではないという。風味、香り、色合いと、どれを取っても最もほど良いアルコール飲料の1つだと考えられている。