とp PBO:NPO法人 プロフェッショナル・バーテンダーズ機構
youtubeチャンネル WRLD CLASS 2024 PBOセミナー報告2023
[ PBO 九州エリア ] 2008年11月18日

■P.B.O.認定試験&セミナー
  開催日 2008年5月11日(日)
  テーマ 1杯の酒から見る接客術
       講師 田中利明氏(P.B.O.運営委員・カエサリオン)

 認定試験終了後、P.B.O.運営委員でカエサリオンオーナーバーテンダーの田中利明氏より“1杯の酒から見る接客術”と題して語って頂きました。心理テストを交えた内容で、意外な結果となって驚いた会員もおり、大変楽しいセミナーとなりました。最後には泡立て器を使って作るカクテルも製作して頂きました。

田中利明氏(P.B.O.運営委員・カエサリオン)によるセミナー


■宮崎・延岡市 ひでじビール醸造所見学
  開催日 2008年6月22日(日)〜23日(月)

 昨年の鹿児島での焼酎蒸留所見学に続き、2回目となるセミナー外研修を行いました。ひでじビール醸造所にて2日間の日程で行いました。(ひでじビールは07年度iTQi国際食品審査会で優秀味覚賞を受賞し、国内外から注目されている地ビールです)通常は入れない現場での仕込み作業を手伝わせて頂くなど、貴重で充実した内容となりました。

ひでじビール醸造所見学


■P.B.O.エリア総会&意見交換会
  開催日 2008年6月29日(日)

 毎年、総会後にはセミナーを開催していましたが、今年は行わず意見交換会をしました。事前にアンケートを行い、それに基づき意見や希望等を発言して頂きました。九州各県から会員が揃う良い機会なので、顔を見ながら様々な話をすることができ、今後の活動に活かせる大変有意義な会となりました。

■スキルアップセミナー
  開催日 2008年8月18日(月)
  テーマ コーヒー
       講師 平田隆文氏(福岡市喫茶組合理事・カフェドカッファ)

 前回の意見交換会で希望が多かった平日のセミナー開催を行いました。
福岡市喫茶組合理事の平田隆文氏を講師に、店内にて実際に入れ方などを見せて頂き、産地の違うコーヒーを試飲しながらの講習となりました。参加者も大変多く、会員の関心の高さを感じました。

平田隆文氏(福岡市喫茶組合理事・カフェドカッファ


■スキルアップセミナー
  開催日 2008年10月19日(日)
  テーマ カクテルセミナー
       講師 上田和男氏(エグゼクティブスペシャリスト・銀座テンダー)

 “上田和男のカクテル変遷”と題して、東京會舘からバーロオジエを経てテンダーに至る間をエグゼクティブスペシャリストの上田和男氏に語って頂きました。コーディアルライムとフレッシュライムを使い分けたギムレット、東京會舘スタイルのジンフィズなどを実際に作って頂きながら、今までにない上田氏の話を聴くことができ大変興味深い内容となりました。

上田和男氏(エグゼクティブスペシャリスト・銀座テンダー)によるカクテルセミナー



[ コラム ] 2008年11月14日

 既出「フランス宮廷内で初めて飲まれたリキュール」で紹介したように、カトリーヌ・ド・メディシスからフランス宮廷へと広がっていったリキュール。太陽王と呼ばれたルイ14世(Louis XIV、1638〜1715[在位1643〜1715])もリキュールを愛飲した王の一人だ。

 老齢になってからは老化予防のためにロソリ(Rossolis)というリキュールを好んで飲んだらしい。生命の水と呼ばれていたブランデーに、ムスク(じゃこう)、バラ、オレンジ、ユリ、ジャスミン、シナモン、クローヴで香りをつけたものだったといわれている。

 このロソリという名称は、イタリアのロゾリオ(サヴォナローラ医師がブランデーにローズの花の香りとモウセンゴケの味を溶かし込んだリキュール。既出「ブランデー嫌いのご婦人のためのリキュール」)が変化したという説。ルイ14世の尊称「太陽王(Roi soleil:ロワ・ソレイユ)」がなまったものという説などがある。

 この太陽王のころからリキュールの楽しみ方が広がっていった。ヨーロッパ上流階級社交界で貴婦人たちが、身に付けている衣装や宝石の色とリキュールの色をコーディネイトさせて楽しむようになったのだ。リキュールはこのころから「液体の宝石」「飲む香水」と呼ばれるようになったという。

 当然、リキュールの生産者も競って新しい色や香りのリキュールを次々に開発するようになったらしい。そういえば、ルイ14世にはこんな女性に関する言葉が残っている。「二人の女を和合させるより、むしろ全ヨーロッパを和合させることのほうが容易であろう」。女心は複雑かもしれないが、美しさを求める女心が昔も今もカクテルの発展には欠かせない。



[ コラム ] 2008年11月07日

 錬金術師を起源とするリキュールの先祖、エリクシル。薬酒としての役割があったのだから、キリスト教の修道院で発展したのもうなづける。どう修道院で盛んだったのか。気になる方も多いのではないだろうか。
 修道士たちは、朝夕の勤行の間をぬって農作業を行い、薬草の採取や薬酒調製に専念していた。もちろん、その土地によって採集できる薬草や香草が異なるし、修道士仲間の連絡で高貴薬草も購入していたらしい。だから修道院ごとに特徴あるエリクシルが生まれるのも当然のことだ。

 エリクシルは病に苦しむ信者たちに与えられ、疲れた旅人を癒すためにも使われたという。また、粗食に耐えながら戒律を守る修道士の栄養物としても支給されたらしい。そうした目的上から熱心に質の向上に努める修道士会も多かったようだ。

 6世紀に発足したベネディクト会もそのひとつだ。ドイツのバヴァリア地方オーバーアンメルガウの近くのエッテル修道院(Kloster Ettel:クロスター・エッテル)では、1330年から薬草リキュールが作られている。現在も伝統を受け継いで生産されている「Ettaler Klosterlikor:エッタラー・クロスターリケール」は、EUで産地表示リキュールとして特別扱いされている。

 同会では他にも1510年にフランスのノルマンディ地方フェーカンの修道院で生まれたエリクシルが今でも有名だ。イタリア出身のベルナルド・ヴィンチェリ(Bernardo Vincelli)が作りだしたものでエリクシル・ベネディクティンと名付けられた。現在の薬酒系リキュール、ベネディクティンの前身である。

 他にもカルトジオ会、シトー会などが熱心に生産していた。カルトジオ会では、1605年に現在のシャルトリューズというリキュールの原型が生まれていたという。

 エリクシルは、どこの修道院でも秘酒として扱われていた。神の恵みの薬酒として大切にされたのである。ほどほどであればアルコールは体に良いといわれている。度が過ぎた飲酒は、神を恐れぬ振る舞いと心しなければならないようだ。