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[ コラム ] 7月-17-2009

 日本でスピリッツと呼ぶのとほとんど同じ意味で、中国では伝統的な蒸留酒を白酒(パイチュウ)という総称で呼ぶ。

 ちなみに醸造酒に相当する酒は、黄酒(ホワンチュウ)と呼んでいる。まさに見たままの呼びかたのようだ。

 中国で白酒がつくられるようになったのは、アラックの影響が強かったようだ。暑い南方では醸造酒で保存するよりも蒸留してアルコール分を高めたほうが長期保存に適していることを知った宋時代に、蒸留酒は急速に普及したようだ。

 白酒の代表的なものには、マオタイチュウ(茅台酒)、フェンチュウ(汾酒)、ウーリャンイェ(五粮液)などがある。

 白酒は曲(キョク)という中国独特の麹を使って穀物を糖化して発酵させる。発酵を終えたもろみは蒸留釜へ移されて、数回蒸留してアルコール度数65%前後の原酒を得る。酒質は重厚で、荒々しさも持っているために、カメなどの陶器に入れて貯蔵し、風味がおだやかになってから出荷する。沖縄のクース(古酒)のような作り方だ。

 マオタイチュウは、香りの分類でhは醤香型で、貴州省茅台鎮の特産である。原料は紅コウリャン、小麦の他、近年は米も使っているといわれる。発酵、蒸留に9カ月、さらに最低3年間貯蔵熟成する。

 フェンチュウは、清香型で山西省汾陽県杏花村の特産である。原料のコウリャンを粉砕して、大曲とともに2回発酵させる。こちらも蒸留後、3年ぐらい貯蔵熟成させる。

 ウーリャンイェは、濃香型に分類され、四川省宜賓の特産。五穀すなわちコウリャン、トウモロコシ、もち米、うるち米、ソバの5つの原料を使うところからその名がついた。白酒の中では、洋酒に近い芳香を備えている。

 他にもコウリャンチュ(高梁酒)などがある。コウリャンチュは天津産のものが品質的によいとされている。この普及品はパイカル(白乾兒)と呼ばれている。