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[ コラム ] 2009年05月08日

 ライト・ラム、ヘビー・ラム、ミディアム・ラム、今回はそれぞれの産地についての話である。

 ライト・ラムづくりの発端になった連続式蒸留機の導入が19世紀の半ば過ぎ。その生産に当初から取り組んだのが、キューバに工場を持っていたバカルディ社である。それから主にスペイン系の植民地に広がっていき、プエルトリコ、バハマ、キューバ、メキシコなどが今でもライト・ラムの主生産地となっている。

 ヘビー・ラムは、イギリス系植民地で発展してきた。ジャマイカ、ガイアナなどが主生産地である。

 ミディアム・ラムは、フランス系植民地で発展してきた。フランスの海外県であるマルチニック島、グァドループ島などが主生産地になっている。

 ちなみにフランス系ラムのタイプは2つに分かれる。アグリコール(agricole:農業生産品の意)とアンデュストリエル(industriel:工業生産品の意)の2つである。アグリコールは、サトウキビの搾り汁をそのまま水で薄めてつくったラム。アンデュストリエルは、搾り汁から砂糖の結晶を除去した糖蜜からつくったラム。アグリコールの表記のないラベルのラムは、ほとんどがアンデュストリエルである。両者ともにオーク樽で3年以上熟成したものは、ヴィユー(vieux:オールドの意)と表記できるようになっている。



[ 千葉県支部 ] 2009年05月06日

スキルアップセミナー「ステア技術&認定試験対策」

日時:平成21年5月6日 14時〜16時30分
会場:バーピート
参加人数:8名

・水と氷を使いステアの練習
・認定試験対策 マティーニ・XYZ
・質疑応答

千葉県支部:スキルアップセミナー「ステア技術&認定試験対策」

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[ コラム ] 2009年05月01日

 ラムは風味、色ともに3つに分かれる。風味なら重いヘビー・ラム、その中間のミディアム・ラム、そして軽いライト・ラムである。また、色の場合はホワイト・ラム、ゴールド・ラム、ダーク・ラムの3つになるが、その製造方法の違いをご存じだろうか。現在では様々な製造方法でつくられているが、その代表的な製造方法をご紹介しよう。

 ヘビー・ラムは、自然発酵させて単式蒸留でつくられる。自然発酵とは、糖蜜を採ってから2〜3日放置しておき、酸を発生させ、サトウキビの搾り粕(バガス:bagasse)や前回蒸留したときの残液(ダンダー:dunder)などを加えて発酵させたものだ。独特の香気が生まれた上で単式蒸留を行う。誕生した新酒は、内側を焦がしたオーク樽(バーボンの使用樽の場合もある)で3年以上熟成させる。熟成を経たラムは、アルコール以外の副生成分を多く含んだ、風味豊かで濃い褐色をしたヘビー・ラムとなるのである。

 ミディアム・ラムはヘビー・ラムと同じように発酵させたもろみを、連続式蒸留機で蒸留する方法、同一蒸留所でライト・ラムとヘビー・ラムをブレンドしてつくる方法などがある。ラム本来の風味と香りを持たせながら、ヘビー・ラムほど強い個性ではないのが特徴になっている。

 ライト・ラムでは、まず糖蜜を水で薄め、純粋培養酵母を使って発酵を行う。その後、連続式蒸留機で高濃度に蒸留するのだが、最高アルコール度数を95度未満に抑える。95度以上の濃度になってしまうと、ニュートラル・スピリッツと同じになってしまうからである。蒸留を終えると割り水で薄め、タンク熟成させるか、内面を焦がしていないオーク樽で熟成を行う。さらに活性炭などの層を通してろ過すると、柔らかな風味とデリケートな味のライト・ラムの出来上がりだ。ちなみに樽熟成による着色をそのまま生かせば、ゴールド・ラムになる。