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グラスの種類を紹介する3回シリーズ。最後の3回目は、ワイン・グラス(Wine Glass)、サワー・グラス(Sour Glass)、ゴブレット(Goblet)、ビアー・グラス(Beer Glass)の4つである。
ワイン・グラス(Wine Glass) 国や地方の風俗、色や味といったワインのタイプによって、さまざまな形や大きさがある。バーにおいては一般的に以下の条件を満たしているものが理想といわれる。 1)ワインの色が楽しめる無地無色透明なもの 2)チューリップのように、グラス上部が内側にややカーブしているもの 3)口径が6cm以上あるもの 4)容量が200ml以上のもの 5)グラスの肉厚が薄手のもの この条件を満たしたグラスに、ワインを1/2、または2/3ほど入れるのが理想とされている。
サワー・グラス(Sour Glass) サワーという一種のカクテルを飲むためのグラス。日本やアメリカでは脚つきが一般的だが、底が平らなタイプもある。 容量は120mlが標準。
ゴブレット(Goblet) タンブラーに脚をつけたもの。ビールやソフト・ドリンク、氷をたっぷりと使ったカクテルなどに使用する。 容量は300mlが標準。もう少し大きなものもよく使われる。
ビアー・グラス(Beer Glass) ビール専用のグラス。別名、ピルスナー・グラスともいう。ビール・ジョッキ以外のグラスの中では、色、香り、泡立ち、味わいを楽しむのに適している。
以上、よく知られているグラスのタイプを紹介してきた。画像がないと、文字だけではなかなか伝わらない。しかし、画像があっても、持った感触は伝わらない。だからといって、百貨店へ行って実際に持ってみても、本当の良さは分からない。やはり、ドリンクあってのグラスである。バーに行ってこそ、グラスを持つ良さが分かるというものだ。
今回は、リキュール・グラス(Liqueur Glass)、ブランデー・グラス(Brandy Glass)、カクテル・グラス(Cocktail Glass)、シェリー・グラス(Sherry Glass)、シャンパン・グラス(Champagne Glass)の5つをご紹介。
リキュール・グラス(Liqueur Glass) リキュールをストレートで飲むためのグラス。ウイスキーやスピリッツ類をストレートで提供するときにも使う。プース・カフェをつくるときにも使用する(本来はポニー・グラスという少し細長くしたグラスを使用する)。 容量は30mlが一般的。 リキュールを楽しむときは、無色透明なタイプを選ぶ。
ブランデー・グラス(Brandy Glass) ふっくらと丸く、口のところがすぼまっているバルーン型の大型グラスである。上部がすぼまっているタイプは香りを逃がさない。そのためスニフター(Snifter:匂いをかぐもの)という別名を持つ。ブランデーをストレートで飲むときに使われるが、香りを楽しむために、銘醸ワイン、ハーブ系のリキュールなどにも使われる。 容量は180〜300mlぐらいのものが多い。
カクテル・グラス(Cocktail Glass) ショート・ドリンクに属するカクテル専用のグラス。形状は逆三角形の下に脚のついたのが一般的。ソーサー型シャンペン・グラスのように丸みを持ったものもある。 容量は90mlのものが標準で、これに60ml分の材料でつくったカクテルを注ぐとちょうど適量になる。
シェリー・グラス(Sherry Glass) スペイン産のフォーティファイド・ワインのシェリーを飲むときのグラス。リキュール・グラスを一回り大きくした感じである。シンプルなデザインは、ウイスキーなどにも使えて用途が広い。 容量は75ml程度。
シャンパン・グラス(Champagne Glass) シャンパン、スパークリング・ワイン、シャンパン・カクテルなどに使われる。口径の広いソーサー型と、細身で背の高いフルート型の2種類がある。 口径が広いソーサー型は泡持ちが悪く日常向きではないが、パーティなどでの乾杯用に使われる。また、カクテルやデザートにも応用される。 口径が狭いフルート型はガスの逃げが少なく、グラスの底から立ち昇る泡を楽しみながら飲める。 容量は標準で120ml。
(ソーサー型) (フルート型)
バーに通い慣れても、グラスを見てすぐ名前を言えるようになるのは難しい。今回から3回に分けてそれぞれのグラスについて紹介していく。まず最初は、ウイスキー・グラス(Whisky Glass)、ロック・グラス(Rock Glass)、タンブラー(Tumbler)、コリンズ・グラス(Collins Glass)、ジョッキ(Jug)の5つである。
ウイスキー・グラス(Whisky Glass) ショット・グラス(Shot Glass)とも呼ばれる。ショットとは「一杯」の意味である。主にウイスキーを一杯売りする時に用いられたことからついた名前である。また、ウイスキーをストレートで飲むときに使われることから、ストレート・グラス(Straight Glass)という名前でも呼ばれる。 大きさは、シングル(Single,30ml)と、ダブル(Double,60ml)の2種類があり、凝ったデザインのものも多い。
(シングル) (ダブル) ロック・グラス(Rock Glass) 正式には、オールド・ファッションド・グラス(Old Fashioned Glass)と呼ばれる。古代から酒器として使われてきたデザインなので、オールド・ファッションド(古風な)という名前がついたという。現在のタンブラーの原形と考えられている。 口が大きいので、大きな氷がそのまま入る。そのため、ウイスキーやカクテルのオン・ザ・ロック・スタイルで飲むときに使われている。丸く削った氷を入れて楽しめるのもロック・グラスならでは。 容量は180ml〜300mlである。
タンブラー(Tumbler) ハイ・ボールやジン・トニック、ソフト・ドリンクに広く用いられる。日頃、カップと呼んでいるバーの基本アイテム。使用頻度が高く、バーで一番多く用意されているグラスである。 昔のカップの底は丸か尖っていたため、タンブル(倒れる、ころぶ:TUMBLE)することから、タンブラーと呼ばれるようになった。 容量は180ml〜300mlであるが、国際的には240ml(8オンス)のグラスが標準の大きさになっている。
コリンズ・グラス(Collins Glass) 円筒形の背の高いグラス。チムニー・グラス(ChimneyGlass、煙突型グラス)、トール・グラス(Tall Glass)とも呼ばれる。名称の通り、コリンズと名のつくカクテルや炭酸ガス含有のカクテルに使われる。 容量は300ml〜360mlが標準である。
ジョッキ(Jug) 日本ではジョッキと発音するが、Jugのつづり通りにジャグと発音するのが正しい。大型のものにはビール・ジョッキ、小型のものにはワイン・ジョッキがある。また、小型のものはアイス・コーヒーやパンチ・カップとしても使われる。 ジョッキに似たモノで、取っ手がついたマグ(Mug)があるが、これは金属製か陶器製の容器を指す名称である。 間違いやすいが、これはマグ。