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[ コラム ] 2008年07月29日

 欧米に行くとワインの水割りを飲む人を見かける。そんな習慣がない日本人には驚く人もいるが、そんなに珍しい光景ではない。オーストリアやドイツでは“G’SPRITZTER(グシュプリッツァーorゲシュプリッツァー)”(ドライなワイン=グリューナーヴェルトリーナやウェルシュルースリング等をガス入りのミネラルウォーターやソーダ水で1:1で割ったもの。ドイツではショルレと呼ばれる)というアルコール系飲料があるし、お店で子供に飲ませている人もいる。
 この「ワインの水割り」、実は歴史的にも古い飲み方だ。しかも、カクテル=酒+Somethingと考えるなら、カクテルのルーツをたどる話にもなってくる。

 古代ローマ帝国では、ワインの水割りが市民の常用的な飲み方だったという。クセジュ文庫の「味の美学(Robert J.Courtine著、黒木義典訳/白水社刊)」によると、ワインに混ぜものをして飲んでいたことが書いてある。「この混合はブドウ酒に対して悪い影響しか与えなかった。一番いいブドウ酒は非常にアルコール分が強く、また濃かったので、つぼから盃に移すとき、その沈殿物を漉してその場で水割りにしなければならなかった。もっともよく飲む人たちでも水で割っていた。そして割ってないブドウ酒をこっそり飲むのは異常者か欠陥人間だけで、その人たちは現在のエーテル常用者のように非難されていた…」
 当時のローマ人にとって「ワインの水割り」が常識的な飲み方で、他にも石膏、粘土、石灰、大理石の粉、海水、松脂、樹脂などを加えて飲んでいたらしい?!

 一方、古代エジプトでは、ビールにハチミツや生姜を加えて飲んでいたという。チズム(Zythum)、カルミ(Calmi)、コルマ(Korma)などと呼ばれていたらしい。さらに紀元640年頃、唐の時代になるとワインに馬乳を加えた乳酸飲料が飲まれていたと伝えられている。

 こうしたワインやビールに何かを加えて飲みスタイルは、カクテルの原始的な姿と考えられなくもない。その当時の人たちに今のカクテルを飲ませてみたいものだ。あまりの美味しさに輝くような笑顔になることは間違いあるまい。



[ コラム ] 2008年07月23日

 誰もが知っているアメリカの禁酒法時代(1920年〜1933年)。実はこの法はザル法として有名である。禁止していたのは「酒類製造・販売・運搬等」であって、「所有」は禁止していないのである。反禁酒派の議員から猛反対で次のような妥協の条項が盛り込まれていた。

『しかし、家屋が自らの住居としてのみ私的に占有・使用されている場合、その家屋の中で酒類を所有することは違法行為ではない。また、もしそのような酒類が、当該家屋に居住する所有者やその家族、さらには当該家屋において歓待される偽りなき来客のため、私的飲用にのみ使用されるのであれば、その所有について当局に届出る必要はない。(第33項)』

 お金持ち達は法の施行の前にたっぷりとお酒を買い溜めしていたという。そして当然のように盛んになったのがホーム・バーである。本棚そっくりのカクテル・ツール(ホーム・バー)がつくられ、アール・デコ・スタイルのバー・ツール(アイス・ペール、シェーカー、ソーダ・サイフォン、スィッズル・スティックなど)やグラス・コレクションを揃えた楽しい時代。禁酒法がなければ生まれなかったのである。

 一方、正規の酒屋にとっては当たり前のことだがダメージが大きかった。禁酒法に嫌気をさした良心的なバーテンダーたちはヨーロッパに渡り、アメリカン・スタイルの飲酒文化を広めていった。
 ロンドンにナイト・クラブがオープンし、若者たちは夜遅くまでジャズや酒を楽しみ、1889年にオープンしたサボイ・ホテルでもアメリカン・バーが導入され、昼間からカクテルを楽しむことができるようになった。ヨーロッパでのカクテル・ブームに拍車をかけたのも禁酒法だったのである。
 ちなみにカクテル・ブックのバイブルといわれる「サボイ・カクテル・ブック」(1930年)を出版したハリー・クラドックがいたのもこの時代。まさに禁酒法がカクテル文化を盛んにしたといえるだろう。



[ コンペティション ] 2008年07月13日

カクテルコンペティション2008ポスター

P.B.O.全国カクテルコンペティション2008
第一部 カクテルコンペティション 14:00〜
第二部 表彰式&懇親会 17:30〜(予定)

■開催日   2008年7月13日(日)14:00〜19:30

■会 場   東京 中央区「コートヤードマリオット銀座東武ホテル」宴会場
         東京都中央区銀座6-14-10
         TEL:03-3546-0111

■主 催   NPO法人プロフェッショナル・バーテンダーズ機構(PBO)

■協 賛   P.B.Oサポートメンバー各社(五十音順) 
         アサヒビール株式会社
         ヴーヴ・クリコ・ジャパン株式会社
         MHDディアジオ モエ ヘネシー株式会社
         キリンビール株式会社
         株式会社佐弘商事
         サントリー株式会社
         ディアジオ・ジャパン株式会社
         株式会社ナランハ
         バカルディ ジャパン(株)
         ペルノ・リカール・ジャパン株式会社
         株式会社明治屋



入賞者
M.V.B(モスト・ヴァリアブル・バーテンダー)
     エントリーNo.8  
     ASIAN Destiny(アジアン ディスティニー) 新谷 彰教 (福岡 バー・パルムドール)

     オリエンス・アジアンリキュール 李 3/6 
     ルジェ・クレーム・ド・アプリコット 2/6
     オリジナル ピーチツリー 1/6
     フレッシュライムジュース 1tsp
     シェイク
     カクテルグラス
     オレンジピール
     リンゴピール
     創作コメント
     日韓W杯、環境問題、そして北京五輪。
     近年私達は国境を越えて、共に歩もうとしています。アジアで生まれた助け合いの心を、
     アジア原産のフルーツを使い表現しました。

第2位
     エントリーNo.7
     Heartful Days(ハートフル デイズ) 大沢 智枝 (東京 バー・アドニス)

     プリマス41.2 4/12
     ルジェ・クレーム・ド・カシス・ド・ディジョン 3/12
     ルジェ・クレーム・ド・アプリコット 3/12
     フレッシュレモンジュース 2/12
     シェイク
     カクテルグラス
     りんごの皮を飾る
     創作コメント
     たくさんの愛と、たくさんの試練に包まれながら過ぎ行く日々、
     感謝の心を込めて…。

金 賞(3名)
     エントリーNo.9  Misty Rain(ミスティーレイン) 鈴木 和行 (東京 永楽倶楽部)
     エントリーNo.19 夢桜(ユメ ザクラ)         森山 照彦 (福岡 バー・パルムドール)
     エントリーNo.23 La Habana(ラ・アバナ)     杉山 ちひろ (愛知 MERCADO)

銀 賞(5名)
     エントリーNo.1  Fairy tale(フェアリーテール)  田村 誠 (神奈川 バー・グローリー桜木町)
     エントリーNo.11 Splendeur(スプランデュール)  木山 賢治 (熊本 ラトゥール)
     エントリーNo.14 Bises(ビス)             野末 竜海 (熊本 Bar rest fine)
     エントリーNo.22 Aromavert(アロマヴェール)   村上 学 (北海道 バー・HATTA)
     エントリーNo.24 funny honey(ファニー・ハニー) 高野 亮 (東京 バー・ジェムストーン)

特別作品賞(1名)
     該当作品なし

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