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[ 千葉県支部 ] 2010年03月24日

カクテルフェスティバル2010 味覚考察セミナー

 日時:平成22年3月24日 14時〜16時
 場所:バグース
 参加人数:14名

・カクテルフェスティバル2010味覚上位3名のカクテルを作成し、味覚についての考察を行う
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[ コラム ] 2010年03月19日

 古代から愛用されてきた飲食物に体に悪いものはないというが、単にそれだけで世界中に広まるものでもない。やはり、美味しいという要素が必須ではないだろうか。

 アステカで初めてチョコレートドリンクを飲んだスペイン人にとっては、衝撃的な苦さだったようだ。ジロラモ・ベンゾーニという人物が1565年に書いた「新世界の歴史」という本の中で、チョコレートは「ブタにふさわしい苦い飲み物」と記述されている。彼らの間では蜂蜜を入れて、甘くして飲む方法が流行して、この飲み方が上流階級で人気となっていったようだ。

 チョコレートはヨーロッパでも南米同様に上流階級の飲み物として認識され、やがて現在のように社交の集まりでホットチョコレートを楽しむようになった。事実、フランスではルイ14世の時代、ホットチョコレートを飲むために招待されることは名誉なこととされていた。ちなみにこの会は午前10時ごろに開催されるのが普通だったようで、招いた主人はベッドにはいったままだったという話もある。

 スペインではキメが粗く砂糖の入ったチョコレートのかたまりが飲料用に売られていて、朝食はチュロスと呼ばれる砂糖をまぶした細長いドーナッツとホットチョコレートが定番だそうだ。この習慣は、1600年代からあまり変わっていないと言われている。

 日本人の場合、チョコレートといえば、なんとなく固形のものを思い浮かべてしまうのではないだろうか。気分を心地よく落ち着かせ、楽しませてくれる飲み物。それが、もともとのチョコレートの姿のようだ。



[ コラム ] 2010年03月12日

 健康増進と強壮効果によってマヤ人もアステカ人もホットチョコレートには魔法の力があると考えていた。

 マヤ人はカカオの神を崇拝し、この飲み物を多くの儀式で使っていた。結婚式では新郎新婦はチョコレートドリンクを交わし、子供はカカオ水で洗礼を受けていたという。年に一度、生贄の儀式があったアステカでは、死の直前の数週間は生贄に選ばれた者に精神安定剤としてチョコレートドリンクが与えられたそうだ。

 アステカ人がスペイン人植民者にチョコレートが健康に良いと教えたことによって、チョコレートドリンクはヨーロッパに伝わった。

 スペイン国王フェリペ2世の主治医フランシスコ・フェルナンデスは、解熱剤や腹痛治療、猛暑時の冷却用としてチョコレートを勧めたという。それ以外にも消化促進剤としても飲まれたようだ。1650年頃にはイギリスに伝わったといわれ、病気回復、体力維持にも効果があるとされた。

 19世紀にはフランスに伝わり、ショコラティエで薬剤師でもあったドゥボーブ・エ・ガレがピストル型の薬としての効用のあるチョコレートを販売して有名になった。医者にも支持されて、神経性胃炎、食事療法、真性コレラの予防、回復期の健康増進に使われるようになった。

 もちろん、現代においてもカカオ・ポリフェノールの効果として、抗酸化作用、脳の活性化作用、抗うつ効果、心臓病予防などが話題になっているのはご存じの通りである。