とp PBO:NPO法人 プロフェッショナル・バーテンダーズ機構
SCC2025 SUNTRY ザ・バーテンダーアワード WRLD CLASS 2024
[ 千葉県支部 ] 2009年05月06日

スキルアップセミナー「ステア技術&認定試験対策」

日時:平成21年5月6日 14時〜16時30分
会場:バーピート
参加人数:8名

・水と氷を使いステアの練習
・認定試験対策 マティーニ・XYZ
・質疑応答

千葉県支部:スキルアップセミナー「ステア技術&認定試験対策」

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[ コラム ] 2009年05月01日

 ラムは風味、色ともに3つに分かれる。風味なら重いヘビー・ラム、その中間のミディアム・ラム、そして軽いライト・ラムである。また、色の場合はホワイト・ラム、ゴールド・ラム、ダーク・ラムの3つになるが、その製造方法の違いをご存じだろうか。現在では様々な製造方法でつくられているが、その代表的な製造方法をご紹介しよう。

 ヘビー・ラムは、自然発酵させて単式蒸留でつくられる。自然発酵とは、糖蜜を採ってから2〜3日放置しておき、酸を発生させ、サトウキビの搾り粕(バガス:bagasse)や前回蒸留したときの残液(ダンダー:dunder)などを加えて発酵させたものだ。独特の香気が生まれた上で単式蒸留を行う。誕生した新酒は、内側を焦がしたオーク樽(バーボンの使用樽の場合もある)で3年以上熟成させる。熟成を経たラムは、アルコール以外の副生成分を多く含んだ、風味豊かで濃い褐色をしたヘビー・ラムとなるのである。

 ミディアム・ラムはヘビー・ラムと同じように発酵させたもろみを、連続式蒸留機で蒸留する方法、同一蒸留所でライト・ラムとヘビー・ラムをブレンドしてつくる方法などがある。ラム本来の風味と香りを持たせながら、ヘビー・ラムほど強い個性ではないのが特徴になっている。

 ライト・ラムでは、まず糖蜜を水で薄め、純粋培養酵母を使って発酵を行う。その後、連続式蒸留機で高濃度に蒸留するのだが、最高アルコール度数を95度未満に抑える。95度以上の濃度になってしまうと、ニュートラル・スピリッツと同じになってしまうからである。蒸留を終えると割り水で薄め、タンク熟成させるか、内面を焦がしていないオーク樽で熟成を行う。さらに活性炭などの層を通してろ過すると、柔らかな風味とデリケートな味のライト・ラムの出来上がりだ。ちなみに樽熟成による着色をそのまま生かせば、ゴールド・ラムになる。



[ コラム ] 2009年04月24日

 18世紀頃の話。イギリス海軍のバーノン提督は、粗製ラムには壊血病予防の効果があると信じていた。そこで従来、水兵にビールを支給していたが、昼食前に半パイント(284ml)のラムを支給することにした。

 水兵たちは喜んで、提督のことを「いいやつ」という意味を込めて「Old Rummy(オールド・ラミー)」と呼んだという。ここからラムという名が生まれたという説もあるそうだ。ちなみに「ラミー」という言葉は、今では「いいやつ」ではなく「酔っ払い」という意味になってしまっている。

 さて、水兵たちの話に戻る。ラムを支給されるようになって午後の作業に支障をきたすものが出てきた。そこで1740年にバーノン提督はラムを4倍の水割りにして、2回に分けて支給することにした。当然、水兵たちは面白くない。新しく支給された酒を、提督がいつも着ているヨレヨレのグログラム(絹とウールの交織による粗い布地)のマントをもじって「グロッグ」と呼んだ。

 この「グロッグ」という呼び名が、いろいろな言葉となって広がっていった。安酒を売る居酒屋「グロッグ・ショップ」、水割りのグロッグでも弱い酒と侮って飲み過ぎればフラフラに酔っぱらうことから生まれた言葉「グロッキー」(ボクシング用語にもなった)。

 三角貿易の悲しい過去、そして笑える愉快な過去、いろいろな歴史の顔を見せてくれる酒、それがラムなのかもしれない。