とp PBO:NPO法人 プロフェッショナル・バーテンダーズ機構
SCC2025 SUNTRY ザ・バーテンダーアワード WRLD CLASS 2024
[ コラム ] 2009年01月23日

 ジンの代名詞ともいわれるドライ・ジン。さわやかな香気、ライトな風味、切れ味のよい蒸留酒の代表格である。ライ麦なども使われることがあるが、主な原料はトウモロコシ、大麦麦芽である。

 これらを発酵させて連続式蒸留機で95%以上のグレーン・スピリッツをつくる。この際にウオツカをつくる場合よりもやや低く抑えるのが一般的である。

 このグレーン・スピリッツをジュニパー・ベリーその他の草根木皮とともに再蒸留するのだが、二つの方法が採られる。

 ひとつは、草根木皮を加えてポット・スチルで蒸留する方法。もうひとつは、ポット・スチル上部にジン・ヘッドと呼ばれる上下が金網の円筒をセットし、内部に草根木皮を詰めて、蒸留されてくるスピリッツ蒸気とともに香気成分も一緒に抽出させる方法である。

 香りづけに使われる草根木皮類はジュニパー・ベリーの他に、コリアンダー、アニス、キャラウェイ、フェンネル、カーダモンなどの種子、アンジャリカ、オリス、リコリス、カラマスなどの根、レモン、オレンジの果皮、シナモンの樹皮なども加えられるが、その詳細は各製造メーカーのノウハウで公表されていない。そのノウハウの差がブランドごとの風味の差になっている。



[ 千葉県支部 ] 2009年01月18日

日時:平成21年1月18日 14時〜16時
場所:御嘉家”
参加人数:21名

今年の新年会は、稲毛地区のメンバーが幹事で開催しました。去年より人数も増え、人間関係もできてきているので、大いに盛り上がりました。途中、若いバーテンダーたちの考えなどを聞く時間もあり、メンバー間のコミュニケーションが活発になっています。2時間があっという間でした。その後、2次会、3次会、4次会とメンバーのお店で楽しい時間を過ごしました。

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[ コラム ] 2009年01月16日

 ジンは、1660年にオランダ・ライデン大学のシルヴィウス博士(Dr.Sylvius:本名Franz de la Boe フランツ・デ・ラ・ボエ、1614-1672)によってつられた薬用酒である。植民地での熱病の特効薬、利尿剤としてつられたという。  その中身は、当時、利尿効果があるとされていたジュニパー・ベリー(Huniper Berry:杜松の実)をアルコールに浸漬して蒸留したものである。この薬用酒は、ジュニパー・ベリーのフランス語読みであるジュニエーヴル(Genievre)と名付けて販売された。

 すでに蒸留酒を飲む習慣は徐々に広がりつつあったが、簡単な構造のポット・スチルで作られていたために雑味の多い酒がほとんどであった。さわやかな香りを持つジュニエーヴルは、当時存在した他のジュニパー・ベリー風味の酒とともに飲用が広まっていったのである。そして名前もオランダ語でイェネーフェル(Genever)やイェネーファ(Geneva)と呼ばれるようになった。

 このイェネーフェルは、オランダ公ウィリアムが1689年にイギリス国王に迎えられるとともにイギリスにも広がり、特にロンドンで爆発的に流行した。そして、イギリスではジュニエーヴルが短縮されて「ジン(Gin)」と呼ぶようになった。これが「ジン」と呼ばれるようになった由来でもある。

 19世紀に入ると連続式蒸留機が発達し、イギリスのジンはクセのないライトな風味を持つ洗練された新しい酒として進化していく。そして相変わらずポット・スチルでつられるイェネーフェルと区別するために、ブリティッシュ・ジン、あるいは主産地の名前をとってロンドン・ジンと呼ばれるようになった。

 ジンは、それからアメリカに渡っていく。そしてカクテルベースとして一躍脚光を浴び、世界的に有名になった。こうしたジンの歴史が、まさに「ジンは、オランダ人が生み、イギリス人が洗練し、アメリカ人が栄光を与えた」といわれる所以である。現在、ジンは世界各国でつくれているが、そのほとんどがロンドン・ジンと同じタイプのドライ・ジンである。

注)ドイツ語およびフランス語特有の文字は一部省略して表記しています。